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2020.03.15 Sunday

1966 TRIUMPH T120R BONNEVILLE 山口県Kさんプチ報告その15

     トライアンフを愛する皆さん、スロットルを廻して発生する力がどうやってギアボックスへと伝わるのか?…トライアンフの何処が弱いから何を気をつけなきゃイケないのか?…たまには私とお勉強致しましょう…

 

  奥がエンジンのクランクシャフト、手前がギアボックスのメインシャフト、この2本の軸が今回の話の主役。で、ガソリンを燃やした爆発力で得た往復運動を、コネクティングロッドとクランクシャフトによって回転運動に変換しクランク軸は向かって左回りに回転する、そしてメインシャフトも同様左に回転します。しかし、モーターサイクル程度のエンジンの力は小さくてそのままでは車体を進める事は出来ません…

 

  そこで大きさ(歯数)の違う歯車を使って変速します。この場合、29Tx58Tなので丁度比率は2.00になります。要するにクランク軸が3000回転の時にメインシャフトは1500回転になると同時に力が突然増大「50しかない力を100にできたぞーっ!」とこうなる訳です。ポイント1…非力なエンジンの力をプライマリ減速装置がガツーンと大きくしているんだぞっ! ※…「布引流英国車講座上級者編」こちらに詳しい事書いてます。是非ご覧ください→コチラ

 

  そして、増大された出力はギアボックスの前にこのクラッチを介して伝わります。クラッチとは断続機と言って要するに手を離したりつないだりする装置です。そう、感覚的にはエンジンの手とリアホイールの手をつないだり離したりする装置です。

 

   で、走っている時には3本のスプリングが中のプレートをぎゅっと押してクラッチは固定されています。そして、レバーを握った時のみスプリングを押し返しプレートの固定を解除、中のプレート達は離れて力が伝わらなくなります。ポイント2…クラッチの操作にもプライマリー減速は役に立っている、3000回転よりも1500回転の方がプレートに優しいと同時にスムースな断然を可能にしているんだ!

 

  こうしたプライマリー減速装置の二次的な仕組みもお勉強致しましょう…クラッチのセンターにはこうしたゴム製のラバーが入っています。大きい方が加速時用でクランクシャフトからの出力に対応、小さい方が減速時用でホイール側からの力用…これらをクラッチショックアブソーバーと呼びます。

 

  では、力の流れを見てみましょう…エンジンの力がクラッチプレートを介して右のクラッチセンターを廻す→左上にあるショックアブソーバーラバー(左が新品)に力が伝わる→真ん中にある小さなスパイダーに伝わる→そして同軸上のギアボックスのメインシャフトが廻されると、こういう流れです。ポイント3…激しいスロットル操作や皆さんの下手クソなシフトダウン操作により発生する強大な衝撃力がこんなにも小さなスパイダーに集中しているんだ。優しく、ゆっくりと、丁寧に…これがトライアンフの変速操作の大原則だっ!

 

  そして最後にトライアンフを愛する皆さんが知っておくべき事…それは、トライアンフBSA系のクラッチとは不完全であると言う事。新品で正常な状態でも圧着力の弱さから滑らそうとすれば簡単に滑ってしまう…暫く乗らなければディスクは貼りついてクラッチレバーを握ってもクラッチが切れなくなってしまう…クラッチロッドの送り量の少なさから切れが悪く変速の操作感が悪い…3本のスプリングはプレッシャーカバーの動きを平行に保てずフラフラな状態…こうした不完全さをメーカー自体気づく事になるものの頑として変更しようとしない、それが古いモノを変えない文化のブリティシュスピリッツなんだ! ポイントその4…現行車じゃねえんだぞ、クラッチレバー先端の遊びをとるな!遊びはゼロだっー!

 

  ところが「それじゃイカンだろ…レースに勝てっこない…」と、メードインジャパンは1980年代に入るとレースのノウハウにより見事に完成させ、以後クラッチの不具合など昔物語となる。(写真は1988年型のホンダNSR250Rのクラッチ、これがライオンだとするとトライアンフは小鹿です…)だが、今流行りのゼッツーやCBも1970年代のクラッチは重くキレが悪かった。それよりもまだまだ完成されていない古典的なクラッチにわざわざ乗っているのがトライアンフを愛する皆さん達なんだ…最終評価…トライアンフのクラッチは最低だ!弱くて重くて信頼性も低い。乗ったら乗ったで傷んでしまう、乗らなきゃ乗らないで更に手間もかかる。トライアンフの中でも最も完成度の低い部品なんだ!

そしてそして、皆さんいいですか?いくら高価で輝いたクラシックモノを買ったとしても構造もなにも製造当時のまま、だからこそ価値があって高値になる…トライアンフのみならずビンテージなフェラーリやポルシェでも、そうした事全てを知った上で使いこなし楽しむ…古いモノを嗜むって事の意味をわきまえている…それが大人の趣味なんですよ…松枝

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