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2020.08.07 Friday

1965 TRIUMPH TR6SR 三重県K様 車検整備報告

 

 以前、エンジンのレストア作業をさせた頂いた三重県のKさん、今回も車検整備をご依頼頂きました、ありがとうございます… 過去の作業は→コチラです。

 

 「一緒にプロップスタンド修理してください…」ここが壊されていると車体の価値に大きく影響してしまう。そして今回Kさんはその修理を頼んでくれた。このトロフィースポーツの為にも実に良い依頼だった… (※最後にあるプチ報告を是非ご覧ください↓)

 

 そしてこれからの2年の間、彼の使用に耐え得るようにと各部をリフレッシュ。後はオイルの交換に始まる基本的なメンテナンスを怠らなければ走れるようにと仕上げた…で、今回は彼の素敵な愛車1965年製のTR6SRを少し覗いてみましょう…


 パーセルグリッドにスタイリングストリップにフィラーキャップ、更にルーカス社製P700系のヘッドライトシェルと共に当時ならではのクロームな光景を醸し出す…(※Kさんへのプチアドバイス…ステアリングのラグにつく3/8"のピンチボルトがへクスキャップボルトになっている。これはナンセンス次回交換したいものですね。)

 

 メーターは1964年から変更になったスミス社製のマグネット式で通称「グレイフェイス」。連続して動くニードルは当時好評を博した。で、良く見るとタコメーターのニードルの回転方向がアンチクロックワイズ(反時計回り)になっている…(※Kさんへのプチアドバイ…傷み切る前にそろそろO/Hしても良いかと…) 


 これは…1962年以前や1966年以降と違い、そのドライブをカムシャフトの末端に直付けになった事に起因する…

 

 そして、にわかに議論を呼ぶケーブルの取り回し方、ゴタゴタ言ってもこれがスタンダードだ。で、アンチクロックワイズのタコメーターは1963のクロノ、1964及び1965のマグネットと合計3年しかないレアなモノ。誇りに思って良いかと存じます… (※Kさんへのプチアドバイ…メーターのマウンティングブラケット専用のボルトがポジドライブスクリューに変わっている。これ超恥ずかしい。メーターの写真のところ↑…)

 

 

 そして、ここがこのトロフィーのハイライト、やれたディップ&ホーンスイッチをご覧ください(左側)。これはルーカス社製の当時のオリジナル品、そこから出ているヨレヨレのワイヤー(配線)に注目です。このグレーの被覆と中のワイヤーも1965年製のオリジナル品、これ素晴らしいです。(※Kさんへのプチアドバイス…ディップ&ホーンスイッチを止めているスクリューからフラットチップに変えられている。これは大ナンセンス!無茶苦茶恥ずかしい)

 

 そして、キャブレター。皆さんもご存知のアマル社製の389、通称モノブロックキャブレターで口径は1-1/8"、オリジナルの389/97を今も死守しているところ二重丸です、Kさんエライ! 


 そしてグレートップのシート…なんだかカッコよくありませんか? 真ん中にありますね…

 

 近づいてみるとこんな感じ。これはセーフティーストラップと言いますが、近年のリプロ品のシートにはありません。よって現在殆どの車両にはセーフティーストラップが無い訳です。ご自分のシートにこれついてる人、大切にしてもらいたいと思います…

 

 そしてテール廻り、この一見ヘンテコなテール&ブレーキランプ、これが味噌です。この当時US仕様の多くはL679をこうして飛び出すような格好で取り付けてある、これこそが「US仕様の粋」なんです。因みにそこのワイヤーもこうしたS字を描くようなだらしない格好が基本。振動でワイヤーが切れてもそれはそれで仕方のない事、それもまた「粋」な訳です(苦笑い)。

 

 そして1963〜1965年の美学と言えばこのシンプルなリアホイールのハブです。スピードメーターのドライブギアも何も無いシンプルさが実に美しい、細いスイングアームと共に「アーリーユニット650の陰の美学」なのです。

 

 DUNLOP製のリムも残っていますよ、それも再メッキされていない状態で。このオリジナルのリムにある打刻は再メッキすると甘くなってその価値までも下がってしまう。極力再メッキするべきものじゃないと認識して頂きたいと思います…

 

 


 「ズンズンズンズンズンズン…チャッ…ズンズンズンズンズンズン…」 で、ユニット650とは1963年から1970年迄、その乗り味は全て同じじゃありません…1963〜1965のアーリーモデルでは実にふくよかな走りを見せます(マニア好み)。

 

 その最も大きな要因がずっしりと重量感のある真ん中のフライホイール、これが1963〜1965年モデルの深みのある走りの源…

 

 それが1966年モデルになるとカウンター成分を残しフライホイール成分を大幅に軽量化する…

 

 そして1963から1967までキャブレターはアマル社製389等のモノブロック(再び登場)。緩慢な趣ではあるもののアーリーモデルには外せないレギュラーメンバー…

 

 更に、彼のイグニッションシステムにはルーカス社製のコンタクトポイントブレーカー6CA(4CAがスタンダード)が鎮座し、この裏にはガバナー式の遅角装置(後の進角装置とは思想が違う)がある。で、私が1965年迄のモデルに無接点式のイグナイターを入れるケースはビギナーに限っている。彼のような既にこのトロフィーを走らせていた経験者の場合には断然機械式を勧める。理由は明白「ズォーーーーーン!…」と、アーリーモデル特有の走りに大いに貢献する秘密兵器だからだ。

 

 1960年代から1970年代へと進むにつれ出力も高くなり、逆にフライホイールは軽くなる。そしてキャブレターもレスポンスの良いモノへと変わっていく、それがトライアンフをはじめこの時代のモーターサイクルのおおよその変遷だ。「ズンズンズンズンズンズン…」と走っていたモノが「ズバズバズバズバズバズバ!…」時代が進むにつれ軽快で力強く坂道を登って行く…一括りにして言えばそんな違いがある。

 

 で、そうした事から1965年モデルに強引な走りを強制してはイケないよ。主役はあくまでトロフィーだ。スロットル開度1/8〜1/4、更に1/2辺りの開け初めに慎重さをもって操作する…回転数が上がりスロットルへの反応の良さを見せたならじんわり且つ大胆にスロットルを開けて行く、「ズバズバズバズバズバズバ!…チャッ…ズバズバズババッバッバッバッバッバッ!…」それは走る…決して遅いなんて言ってない。ふくよか且つ大胆に走る…。ボンネヴィルにはない、後のモデルにもない1965 TR6S/Rとしての走りがそこには有るんだ…

 

 …残念な事に皆さんはトライアンフと言えば絶対にボンネヴィルだと言う。これは素人さんほどその傾向が強い。で、この辺りのボンネヴィルの正式な呼称とは「T120/R BONNEVILLE ROAD SPORTS」。対してこのトロフィーとは「TR6S/R TROPHY ROAD SPORTS」となる。この意味が分かるかな?一見するとアルファベットが違っているだけで内容がイメージしにくい当時のラインナップ。その中にこのような優れた設定のトロフィーがあるなんて…Kさんがこの「TR6S/R TROPHY ROAD SPORTS」を愛している理由とは一段上のレベルなんだ… 2020/08/07 布引クラシックス 松枝

 

以下、作業のプチ報告です。是非ご覧ください。

Kさんのプチ報告 その1その2その3その4

 

 「ドーーーンッ!」と、Kさんに大ーきなお土産頂きました、ありがとうございます!松枝
      

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