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2020.04.17 Friday

1990 DUCATI 900SS 神戸市G様 車検作業のご報告です。

  実は布引クラシックスの松枝、イタリア製モーターサイクル好きなんです。そして1989&1990年のたった2年間しか生産されなかった900SSスパースポーツ、大好きなんです…

 

 

  20年前「ドゥカティ欲しいんですけど…」そう言ってドアを開けたくれたのが今回のオーナーGさん。で、当時用意したのが400SSジュニア…モンジュイとおなじ前後16インチのマーヴィック製2ピースホイールにブレンボ製フルフローティングブレーキディスクと400佞箸六廚┐覆す覯攸備、ふたりで「16インチって楽しいねー」と目を輝かせて語り合った。

 

 ジュニアで味をしめたGさん、次にこの1990年の900SSスーパースポーツ買ってもらいましたよ。ちょこっとモディファイを行うだけで、とてつもなく楽しく走れるマシーンに変貌しました。「これ、要らなくなったら言ってね…もらうから…」「いや、手放しません…」こんな会話があいさつ代わり、Gさんにわたくし松枝、ふたりして1990 900SSの大ファンなんです。

 

 更に彼のドゥカティ愛はエスカレート、遂に750F1の2型まで手を出してしまう…20年前に400SSジュニアに乗ってからドゥカティに完全にハマってしまった訳です。過去の作業→コチラ

 

で、今回は車検の依頼。「クラッチが重てーんです…」「そりゃ欧米人用なんだから重いよ…」彼がわがまま言います。レリーズシリンダーのサイズやらレバー比やら換算すると16RSCの15寄り…しかしその下は14RSCで15RSCってのは無いから16RSCつけてアジャスターで対応。カウルの逃げもなんとかクリア、握り加減もクラッチの切れも良くいい感じに仕上がりましたよ。

 

 フロントフォークのオイルも交換、この900SSは以前にフォークのモディファイを行い俄然走り易くなっている。

 

 フォークは勿論マルゾッキ社製、左右非対称のダンパーなど独創的な設計がおもしろい。それもちゃんと手を入れてやれば、とっても楽しく走れる私のお気に入りのフロントフォークなんだ。過去の作業は→コチラ

 

 リアのオーリンズのショックアブソーバーもカロッツェリアさんでオーバーホールしてもらいました…

 

 そして「マフラー…何とかしてくれます?…」「ん?…いや、もうマフラー交換したら?かなり使い込んでるよカーボンだし…」「いや、このカーボンが好きなんです…」「またわがまま言う…」このマフラーの固定方法に以前から不満を持っていたGさん。ちょっと細工をしてみました。

 

 ラバーマウントでふらついてスイングアームに干渉気味。「よし、ラバーなんか要らんわ…」構造をリジットに変えてがっちり固定、イタリア製だからスパルタンに加工してやる!

 

 そして左右共にスイングアームに接近し過ぎる事はなくなりました…(バンドに負荷かかりますが、わがままだからそれはそれ…)

 

 1980年代の何時頃か、初めてこのMOTUL 300Vをお客さんに入れて抜いた時、「なんだこれ!」わたくし言ったのを憶えてます。結構距離走っていたのに全然オイルが活きている。「すごいなぁ…これ強いなぁ…8耐走れるよなぁ…」その耐久性能に驚いた訳です。以来、布引クラシックスでの化学合成マルチオイルの指定となっていますよ…(拍手)

 

 で、この時代のドゥカティで問題になるのがヘッドライトの光量、英国車やってる私がみても暗い。車検を通す事は普通難しいんです…そこで、配線を変え、リレーを入れ、МFバッテリーに交換するなど工作しました…

 

 ここは神戸魚崎浜の陸運局、毎年きれいに桜が咲いてくれます、嬉しいですね…でヘッドライトの光量、60/55W H4バルブ&ノーマルレンズで余裕です…

 

 桜をちらっと見ながら考えている…そもそも私はどんなバイクが良いとか悪いとか言う発想事自体気に喰わない。どんなモーターサイクルにも人それぞれの想いがあって大切にされていると思っている。この僅か2年間しか製造されなかったこの900SSは、ややもすれば忘れ去られる存在なのかもしれない。しかし、ベルリッキに、マルゾッキに、ブレンボに、マニエッティマレリに、CEV等々…イタリア製パーツで構成される最後の純イタリア製ドゥカティ…このマシンに私は哀愁を感じてならないんだ。

 

 クラシカルの象徴であるベベル、異常なまでのコンパクトさを貫いたパンタ750F1、更にはドゥカティの大衆化に大いに貢献した1991~1997年の新生900SS、その狭間にうもれてしまった1989~1990の900SS達。だが、そうした歴代のモデル達とは、並の腕しか持たない一般庶民には「絶対的な扱い難さ」を持っている。「難しいなぁ…昨日はあんなに楽しく走れたのに今日はさっぱり駄目だ…」走っても走ってもその時々で反応を変えてしまうオールドドゥカティ達の難しさ…それを打破したのはこの900SSが初めてだったんだ。

 

 「ズドォーーーン……ズッダッダッダッダッダッ!…」スロットルを閉じ、ブレーキをかけ、車体を倒し、目線移す…そしてスロットルを開ければ「ドッォーーーーン!…ドッォーーーーン!…」900 Vツインパワーが旋回を助けんばかりに怒涛の攻勢をかけてくる! そうなんだ…倒し込む意思を持ってコーナーに入る…すると進むべき方向を車体が察知する…そしてコーナーのアウト目掛けて一気に旋回しようとする初めてのドゥカティ、それは同時期に生産された水冷モデルである851と共通する優れた旋回性能を持っていたんだ…

経営的な判断から短命に終わったこのモデルを開発したエンジニア達はどうとらえただろう…もっと正しく評価して欲しかった。他のモデル以上の性能を持っている事をもっともっと皆さんに知ってもらいたかった…そんな1990 900SSスパースポーツを手放さないと言って大切にしてくれるオーナーのGさん。彼もきっと同じようなことを考えていると、私は思うんだ… 2020.04.28 布引クラシックス 松枝

 

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